本サイトでは、まいまい京都が主催するツアーに参加した感想を何回か書いていますが、新型コロナウイルスのため、まいまい京都もまち歩きツアーを開催できなくなりました。しかし、代わりにオンラインツアーを企画しており、私もゴールデンウィーク中に何回か参加しました。
そして、オンラインツアーを紹介する新たなメールがまいまい京都から届き、その中に
二条城、史上初!非公開エリアに徹底潜入オンラインツアー
~東大手門・東南隅櫓・香雲亭…将軍目線で大広間!所長&各専門家が総力結集~
とあり、紹介文の
そしてなんと、本邦初公開!将軍の目線で、二の丸御殿大広間へ。
に非常に惹かれたので、早速、参加申込をしました。オンラインツアーが開催された5月17日に映像を見て、印象に残ったことを以下に書きます。
東大手門
・平成29年3月に修理が完成し、その直後、2階を特別公開した。
・石落としが4箇所あり、1箇所は常時開いており、東大手門をくぐる時、上を見上げると、それを確認できる。
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石落としは二条城の公式ガイドツアーに参加した時に話を聞き、見上げたことを覚えています。その時撮った写真をアイキャッチ画像にしています。
・鉄砲対策のため、外側の土戸(つちど)の内側に厚い木戸があるが、内側の土戸には薄い木戸となっている。
・慶長時代の東大手門は寛永の行幸時に薬医門に変更され、寛文近江若狭地震で、今の形に改められた。
東南隅櫓
・石落としがあるが、石垣を改修した際に石垣が外に張り出し、石落としが石を落とせない状態になっている。
・石落としが張り出しているので、横窓を作るスペースが生まれ、横窓から敵を狙えるようになっている。
・東南隅櫓は伏見城から持ってきた部材を用いて、寛永3年に造られたと考えられている。天井の梁にほぞ穴があり、これは伏見城で使用されていた跡と考えられる。
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上記のことは解説がないと気づかないと思いますので、為になりました。お城を訪れた際、櫓が特別公開されていることがあります。しかし、解説がないため、「中に入ったことしか記憶がない」ということが多々ありますが、オンラインツアーでは専門の方が丁寧に解説してくれるので、そこがオンラインツアーのメリットだと思いました。
香雲亭
・角倉了以の邸宅跡を移築したものである。中からは和洋折衷の庭が鑑賞できる。
・建物の中から現代的な建物は一切見えないため、江戸時代の景色を感じさせる。
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本当に庭が綺麗に感じました。新型コロナウイルスによる自粛で、長い間、お城やお寺の庭を見ていませんので、尚更、美しく感じたのかもしれません。
障壁画 展示収蔵館
黒書院の障壁画の話がありました。
・黒書院の障壁画には季節がある。将軍は南に向かって座り、その後ろの北側障壁画には冬の終わり(初春)が描かれている。そこには、松の上に雪があり、梅も描かれている。
・北から南に向かって季節が流れ、西の障壁画には梅の花、北の障壁画には桜の花が描かれている。
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上記のことは解説がないと絶対に気づかないと思うので、非常に為になりました。私はまだ障壁画展示収蔵館には入ったことがないので、今度二条城を訪れた際は訪れたいなと思いました。
二の丸御殿 大広間
いよいよ、メインの大広間です。まずは畳の映像から始まり、カメラがゆっくり下から上に移動すると、将軍の見た景色が広がりました。拝観時には開けられている北のふすまが閉められており、そこに描かれている松の画を見ることができたのも良かったです。ちなみに、二条城に百万円寄付すると、将軍の見た景色を実際に楽しむことができるそうです。なかなか百万円の寄付は簡単には出来ないので、今回の映像は本当に貴重でした。
下段から見た将軍も良かったです。後ろに描かれた松が将軍を守護しているようでした。二条城を訪れた際、通常は北側の通路から立った状態で将軍とその後ろの松を見ますが、今まで松が守護していると感じたことはなく、今回のように下段に座って、将軍を見たときにのみ感じられるものだと思いました。ですので、下段から見た将軍の景色も本当に貴重でした。
最後に
今回のオンラインツアーは普段入れない場所の景色が見れ、かつ、専門家の方々の話も聞くことができたので本当に有意義でした。今回の新型コロナウイルスで休館、来場者減少で困っている博物館も多いと思います。その対策として、有料でオンラインセミナーを開催するのがあると思います。IT技術も発達しているので、それほどお金をかけずに配信機材は用意できると思います。また、オンラインならば全国各地から参加できますので、参加者も博物館で開催するより多くなると思います。今回の二条城のオンラインツアーは新しい生活様式における博物館のあり方を示したように感じました。
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