お城EXPO 2019に行きました

お城EXPO 2019

訪問日:2019年12月21日
お城好きにとっての年末スペシャルイベント「お城EXPO」に参加しました。お城EXPOの存在自体は以前から知っていましたが、ブログを始めてから訪れようと思っていたので、今回が初めての参加となりました。

参加しての感想は「こんな楽しいイベントはそうそうない」と感じるとても楽しいものでした。
復元された大阪冬の陣屏風は予想に違わず素晴らしいものでしたし、小中学生による城の自由研究コンテスト優秀作品展は大人顔負けのレベルの高さで驚きました。城めぐり観光情報ゾーンでは、お城の案内をたくさんもらい、「来年はどこのお城に行こうかな」と色々思いを巡らせました。

以下、聴講した厳選プログラムの中から

  • 春風亭昇太さん、加藤理文の「山城の魅力と歩き方」
  • 三浦正幸さん、仁木宏さん、加藤理文さんの「新発見!豊臣大坂城と織豊系城郭」

についての感想を書きたいと思います。

山城の魅力と歩き方

竪堀と横堀に関して、会場の客席の通路を使った説明があり、非常に分かりやすかったです。

山城として、静岡県牧之原市にある勝間田城を取り上げ、勝間田城は、(1) 曲輪の大きさが違う、(2) 土塁が含まれているかいないかで、大きく2つ(本曲輪と二、三曲輪)に分けられるそうで、本曲輪は勝間田氏が築き、二、三曲輪は徳川家康が築いたと推測しているそうです。また、静岡県の山城は今川時代のものを武田、徳川が手を加えていることが多いそうです。

山城として、鳥取県の番城を取り上げ、一般に攻城側が攻めるに都合のよい場所に臨時的に築いた城を陣城と呼びますが、番城は羽衣石城を守るために秀吉が築いた陣城であり、守備側が築いた唯一の陣城ではないかと推測しているそうです。

春風亭昇太さんが話が上手いのは当たり前ですが、加藤理文さんも話がとても上手で、また両氏の仲の良さも伝わってきて、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。
※土塁の発音に関して、加藤さんは静岡出身なので、最初の「ど」にアクセントがある発音をすると昇太さんが話されていました。実は「土塁」の発音はどれが正しいのか分からなくなっていたのですが、スッキリしました。

新発見!豊臣大坂城と織豊系城郭

豊臣大阪城がどんな姿だったのかがテーマである。発掘調査により、徳川の築いた大阪城の下に豊臣の築いた大阪城があることが分かった。
豊臣大阪城には多くの大名が訪れているが、同時代の詳しい文字の史料がない。
画は

  • 大阪冬の陣図屏風
  • 大阪夏の陣図屏風
  • 大阪城図屏風
  • 中井家所有の平面図

がある。
大阪城は徳川大坂城の念頭に特別史跡に指定されているため、徳川時代の遺構を潰してしまうような発掘調査は容易に出来ない。遺構を潰さない調査法で調査したところ、中井家の平面図は正しいことが分かった。
豊臣大阪城には3つ入り口があり、桜門からは一般の大名が入り、豊臣秀吉とは表御殿で対面した。極楽橋は秀吉専用の入口であり、もう一つの入り口は親しい人が奥御殿や天守で秀吉と対面した。
天守の姿として、大阪夏の陣図屏風が正しいと思われてきたが、そうではなく、中井家の平面図に一番合致する大阪城図屏風が正しいと考えられる(天守の北側に庇(ひさし)がある)。大阪城図屏風に描かれている天守の1階には菊と桐の紋が描かれており、これは醍醐寺三宝院の唐門と同じである。また地下一階が一部露出しており、変に思うかも知れないが、姫路城も同じである。

秀吉の大阪城に関して、同時代の詳しい文字の史料がないのは驚きでした。訪れた人は皆ビックリして、詳細に書いているのかと思っていました。会場で示された豊臣大阪城の天守は非常に派手で、秀吉らしいと思わせるもので、是非、大阪城で展示して欲しいと思います。

醍醐寺三宝院の唐門

醍醐寺三宝院の唐門

最後に

お城EXPOは非常に楽しいイベントでしたので、これから毎年訪れたいと思います。

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