訪問日:2019年2月24日
1月に小田原城を訪れた際、石垣山一夜城のパンフレットも置いてあったので、入手していました。そこにはおすすめウォーキングコースが掲載されており、JR早川駅もしくは箱根登山鉄道入生田駅から歩いていくコースが紹介されていましたので、このコースを参考にして石垣山一夜城に訪れようと決め、今回は早川駅から行くこととしました。
早川駅
JR早川駅で下車。改札を出ても、石垣山一夜城への案内は特にありませんでした。駅を背に真っ直ぐ歩くと、大きな道(国道135号線)に出ます。そこで左折し歩いていると、「太閤一夜城と長興山史跡巡りコース」の案内板がありました。また、道の反対側には、セブンイレブン小田原早川駅前店がありましたので、飲み物などを購入し、石垣山一夜城へ向かう準備は整いました。
海蔵寺(堀秀政供養塔)
次の目標は堀秀政の供養塔がある海蔵寺です。少し歩くと海蔵寺に到着しました。案内板によると、海蔵寺は1441年に小田原城主大森氏により建立され、曹洞宗小田原三山の一つに数えられる名刹だそうです。
堀秀政の供養塔は本堂向かって右側の少し離れた場所にありました。堀秀政は小田原合戦の最中、疫病にかかり、38歳の若さで亡くなりました。供養塔の案内板にあった
もし秀政が健在で、秀吉の意の如く関東に配属されていたら、歴史はまた大きく変わったと思われる人材であった。秀政の墓標は、小田原城も相模湾も見渡せるこの地に建ち、殉死したと思われる家臣大野左京らの墓に囲まれて、安山岩質の形のよい宝篋印塔が滅びゆくものの美しさと寂しさをみせている。
という文章が印象に残りました。
墓地の端から見ると確かに小田原城が見え、小田原城合戦後の関ヶ原の戦い、大阪の陣を堀秀政はどう思ったのだろうかと感じました。
海蔵寺から石垣山一夜城
ここからは広い車道を歩きます。道自体は面白くない道ですが、道沿いに「石垣山に参陣した武将たち」ということで、堀秀政、伊達政宗、宇喜多秀家、徳川家康、豊臣秀次、千利休、淀殿、豊臣秀吉の案内板がありました。その中で宇喜多秀家の案内にあった
小田原合戦の最中、北条氏直の弟氏房に酒や肴を贈って籠城の苦労を慰め、伊豆の江川酒を返礼として贈られ、氏房に講和を勧めたとする物語が伝えられている。
に関して、宇喜多秀家と北条氏の間のそのような話があったとは知らず、印象に残りました。
石垣山城
最後の豊臣秀吉の案内板は石垣山一夜城の入り口付近にあり、やっと、石垣山一夜城歴史公園に到着しました。続日本百名城のスタンプは駐車場内のトイレの前にありました。また石垣山一夜城のパンフレットも置いてありましたので、持っていない場合はここで入手しましょう。
「旧城道東登口」、「石垣山(一夜城)入口」と書かれた案内のある場所から登り始めましたが、南曲輪の石垣に目がいきます。「凄い」の一言です。
次は二の丸東側石垣です。「この辺りの石垣には比較的小さな石が使われている」とあり、確かにそのように感じました。こちらの石垣も凄いです。
歩を進めると二の丸(馬屋曲輪)に到着。本丸(本城曲輪)の石垣が見えますが、まずは井戸曲輪へ。石垣山一夜城にはたくさんの石垣が残されていますが、個人的には、井戸曲輪の石垣が一番凄いと感じます。穴太衆の技術は本当に凄いなと感心します。
展望台に行き、その後、二の丸に戻り、本城曲輪の石垣を間近で見ました。
本丸に上り、物見台へ。石垣山一夜城の魅力は石垣と物見台から見る小田原城と相模湾の景色だと思います。豊臣秀吉も本丸から小田原城を眺めたのだろうなと当時を想像しながら、景色を楽しみました。また本丸奥には天守台跡がありました。
次は西曲輪へ。こちらも石垣が凄いです。こちらの面は小田原城に籠もった北条氏からは見えませんが、手を抜かずしっかり造っていたんだなと感じました。
南曲輪を見た後、降りて、南曲輪の石垣を近くで見ました。一部崩れていますが、これは城としての役割を終えた際に城の一部を壊す「城割り」という作法の痕跡とのことです。崩れている部分から少し歩くと綺麗に石垣が積まれており、城割りが良く分かりました。
戦で勝つには、武力で勝つという方法以外にも、経済力で勝つという方法があり、総石垣のお城を短期間で造るという圧倒的な経済力を見せつけて勝利したのが、秀吉の小田原合戦なのだろうなと石垣山一夜城を見終わった後、感じました。
早川石丁場群
帰りは入生田駅方面に下ることにしました。しばらく歩いていると、早川石丁場群がありましたので、立ち寄ることにしました。安山岩の転石を割るための「矢穴」が一列に彫られて割る直前の状態の石材などがあり、石を掘り出していた当時の様子が伝わってきました。
その後、石垣用石材や小田原らしい梅の花を見ながら、太閤橋を渡って、入生田駅に到着しました。
最後に
(1)早川駅から石垣山城、(2)石垣山城自体、(3)石垣山城から入生田駅まで歩いたので、結構疲れました。しかし、心地良い疲れで、訪れて良かったと思えるお城めぐりでした。
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