奈良まほろば館で「信貴山城と多聞城」を聴講

信貴山城

訪問日:2020年11月15日
奈良まほろば館のホームページで「信貴山城と多聞城~松永久秀と明智光秀の大和~」が開催されることを知り、案内に

1577年、織田信長に反旗を翻した松永久秀は、信貴山城に籠城するが、織田信長の大軍に包囲され自刃します。この信長軍には明智光秀も参戦しており、光秀は以後、信長家臣団の中で重要な地位を獲得していきます。そして5年後の1582年、明智光秀もまた織田信長に反旗を翻し、本能寺の変が勃発します。

松永久秀が築城した多聞城は、当時最先端の“魅せる城”であり、光秀の坂本城・福知山城や信長の安土城にも大きな影響を与えたのではといわれています。松永久秀が生きた大和の時代を通して、織田信長に背いた二人の武将の歩みを振り返ります。

とあり、
・松永久秀に興味があり、より深く知りたいと思っている。
・奈良まほろば館の講座は今まで数多く参加しており、毎回満足している。
ので、直ぐに申し込みをし、当日聴講しました。以下、感想を書きますが、本講座は有料でしたので、印象に残ったベスト3のみを書きたいと思います。

評価が変化してきた松永久秀

・戦国時代の大和の話をする機会はあまり無い。大河ドラマ「麒麟がくる」で松永久秀が登場し、世間の注目を集めている今年は良い機会である。

確かに奈良といえば、奈良時代の話が多く、戦に関する話も源平合戦時の東大寺焼き討ちとその復興が多く、奈良まほろば館での講演も戦国時代の話は少ないと思います。是非、今回をきっかけに戦国時代の奈良の話を奈良まほろば館で多く取り上げてほしいと思います。

・松永久秀の評価が変わり始めたのは、2017、2018年頃からで、特に天野忠幸さんの本がきっかけである。大河ドラマが始まってからは、松永久秀のイメージが従来の梟雄から急激に変わりつつある。

大河ドラマで松永久秀を演じる吉田鋼太郎がはまり役で、本当の松永久秀の姿を我々に見せてくれているように感じます。今、戦国武将の人気投票をすれば、人気ランキングの上位に松永久秀がランクインするのは間違いないでしょう。

塙(原田)直政

原田直政は1574年に南山城守護、1575年に大和守護に命じられ、南山城と大和の国人を軍事指揮下に置いた。松永久秀と筒井順慶も原田直政の支配下に入り、平穏が保たれていた。しかし、1576年の天王寺の戦いで原田直政は戦死し、織田信長は大和の支配権を筒井順慶に与えた。

原田直政に対して、
柴田勝家クラスの重臣だったが、本願寺との戦いで戦死、一族は没落し、現在ではあまり知られていない武将
という知識ぐらいしかなく、大和国の支配を信長から任されていたのは知りませんでした。原田直政の死が松永久秀に与えた影響は非常に大きかったと思います。

信長への謀反の理由

松永久秀が織田信長に2度目の反旗を翻した理由として
(1) 堪忍袋の緒が切れた説
・筒井順慶の配下になってしまった。
・多聞城が破却されてしまった。
(2) 第二次織田信長包囲網説
がある。

明智光秀が本能寺の変を起こした理由がよく分からないように、松永久秀が信長に2度目の謀反を起こした理由もよく分かっていません。今回の話を聞いて、原田直政の死も理由の一つなのかもしれないと思いました。

松永久秀と原田直政の関係は良好で、天王寺の戦いでの失敗により、没落した直政一族に同情し、厳しい処分を命じた織田信長、実行した筒井順慶に恨みを持ったのでないかと想像しました。

最後に

講座は1時間20分程度でしたが、あっという間に時間が過ぎたような気がし、今回もとても満足しました。今回の講座がきっかけで塙(原田)直政にも興味が出てきました。一人の武将から別の武将に興味が広がり、それがどんどん拡大するのは、歴史を学ぶ時の楽しみですね。

※この記事が参考になったならば、下のハートマークを押していただけると嬉しいです。

関連記事

  1. 企画展「戦国の比企 境目の城」

    嵐山史跡の博物館 「戦国の比企 境目の城」の感想

  2. 甲冑(アイキャッチ画像)

    東京国立博物館 月例講演会「日本のよろい」を聴講しました

  3. 徳川家康像講座

    秀吉の猿顔は良い意味?:金沢文庫 講座「徳川家康像について」…

  4. 京都市考古資料館

    特別展示「御土居 洛中洛外のはざま」に行きました

  5. 武将たちの等身大パネル

    企画展「戦国足立の三国志―宮城氏・舎人氏・武蔵千葉氏―」に行…

  6. 「戦国大名 北条氏綱を語る」講演会

    「戦国大名 北条氏綱を語る」講演会の感想

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

CAPTCHA


訪城記(ブログ)一覧