関東ローム層が強く印象に残った河村新城見学会

河村新城からの景色

訪問日:2020年11月21日
かながわ考古学財団主催の河村新城見学会のことをどこで知ったかは既に忘れてしまいましたが、開催されることを知ると直ぐに参加申込をしました。そして、沢山の応募があった中、幸運にも当選し(午前C班)、当日、集合場所の山北町生涯学習センタに向かいました。
※注意:遺物の写真をSNSにアップするのは禁止とのことですので、城からの景色のみをアップしています。

JR御殿場線山北駅

東海道線で国府津駅まで来て、御殿場線に乗換。多分、御殿場線に乗ったのは初めてだと思います。電車は時刻通りに山北駅に到着。

しかし、ここで問題発生。SUICAで降りることが出来ません。原因は、JR東日本の駅からSUICAで乗り、JR東海の駅でそのSUICAを使って降りようとしたからです。山北駅の所在が神奈川県なので、御殿場線はJR東日本管轄だと思っており、JR東海の管轄だったのはうかつでした。

駅から外に出ると、どうやら北口から出たようです。山北町生涯学習センタがあるのは南口なので、駅の反対側に行く必要があります。

実は駅から生涯学習センタまでは「同じように参加する人が歩いているだろうから後ろをついていけば良い」と単純に考えていました。しかし、そのような人は見当たらず、グーグルマップを頼りに歩き、何とか集合時間内に到着することが出来ました。

河村新城遺物展示会

現地に行く前に遺物展示会を見学。説明があり、以下が印象に残りました。
・遺物は250点ほど見つかっているが、城の規模からすればかなり少ない。山城で生活痕跡が少ないからと考えられる。
・銃弾が5点見つかっており、青カビが付いているのは鉛に銅を混ぜているからである。
・碁石は黒色のみ見つかっている。これは白色は貝が材料で土にかえるからである。
・かわらけは70点ほど見つかっており、河村新城と河村城ではかわらけの厚さが異なる。これは居た人のクラスが違うからではないか。

説明が無ければ分からないことばかりであり、丁寧な説明がありがたかったです。

河村新城

バスに乗り、現地に向かいます。乗って直ぐ運転手さんが「渋滞により、現地到着まで1時間ほどかかるかもしれません」と言われ、ビックリしました。確かに直ぐに渋滞につかまり、ノロノロ運転に。結局は1時間はかかりませんでしたが、それでも40分ほどかかりました。

C5曲輪

バスを降りると30メートルほどある臨時の金属製階段を一気に登ります。そこからは土の道を歩き、城址で最も高い位置にあるC5曲輪に到着。風土記にはこの曲輪には櫓台があったと記載されているそうです。

河村新城は相模、甲斐、駿河の国境近くにあり、甲斐や駿河から相模に侵攻してくる武田や徳川軍をこの曲輪から監視していたことでしょう。私は山城を訪れた経験が豊富にある訳ではありませんが、今まで訪れた山城の中で、櫓台跡から見る景色が一番戦国時代のそれに近いように感じました。そう感じた主な原因は、
・視界を遮る木が無いこと
・むき出しの関東ローム層
がリアル感をアップさせていた為だと思います。

C5曲輪からの景色

C5曲輪からの景色

櫓台は城の周りを監視する為にあるので、木に視界を遮られることは無かったはずです。しかし、山城跡に行くと木で視界が遮られることが多々あり、遮る木の無い景色にリアルさを感じました。

また堀を作り、掘った砂で土塁を作ったならば、土がむき出しだったはずです。関東の山城は関東ローム層を活かし滑りやすくしていたとも言われます。しかし、山城跡に行くと草木が生え、土がむき出しということはほとんど無いので、むき出しの関東ローム層にもリアルさを感じました。

この後、馬出し遺構のC8曲輪などを訪れ、その際引き続き強く感じたのが、むき出しの関東ローム層によるリアルさです。「戦国時代のお城に居る」、そう強く感じられた良い見学会でした。

最後に

バス中で「到着まで1時間ほどかかる」と言われた時はどうなるかと思いましたが、今年一番と言ってもいいぐらい良いお城めぐりとなりました。このような素晴らしい見学会を主催してくれた、かながわ考古学財団に感謝です。

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