「築城の教科書」を実感した杉山城

杉山城の石碑

訪問日:2020年1月25日
埼玉県比企郡嵐山町にある杉山城は高度な築城技術から「築城の教科書」、「戦国期城郭の最高傑作のひとつ」という高い評価がなされており、気になるお城です。しかし、訪れようという強い気持ちが今ひとつ湧いてきませんでした。
その理由としては、

  • 関東戦国史の知識がまだまだなので、山内上杉氏、扇谷上杉氏に対して、あまり興味が湧かず、その時代のお城にも興味が湧かない
  • 山城の知識がまだまだなので、訪れてもよく分からない

などが挙げられます。
しかし、昨年、伊勢宗瑞没後500年記念のシンポジウムなどで伊勢宗瑞のことを学び、山内上杉氏や扇谷上杉氏にも興味が湧いてきました。よって、杉山城を訪問することにしました。

歩いて、杉山城へアクセス

東武東上線武蔵嵐山駅で下車。改札を出ると、西口と東口を示す案内があり、東口に杉山城跡と書かれていました、また東口の階段の側面には嵐山町の風景として杉山城が紹介されていました。

武蔵嵐山駅の案内

武蔵嵐山駅の案内

駅からは徒歩です。杉山城のホームページに
「徒歩でお越しの方 東武東上線・武蔵嵐山駅から 約2.9km(約40分)」
と書かれているとおり、結構歩きます。また近くにならないと案内板などはありませんので、スマートフォンの地図アプリは必須です。加えて、杉山城跡にはイベント会場や工事現場などに設置される仮設トイレが1つあるだけですので、トイレも済ましておきましょう。

30分ほど歩き、杉山城のほど近くまで来ると「杉山城跡 大手入口」と書かれた案内板があり、積善寺に到着すると、こちらにも「杉山城跡 大手入口」と書かれた案内板があったので、従って坂道を登ると、大きく開けた出郭に到着しました。

「杉山城跡 大手入口」の案内(その1)

「杉山城跡 大手入口」の案内(その1)

「杉山城跡 大手入口」の案内(その2)

「杉山城跡 大手入口」の案内(その2)

杉山城

出郭には、杉山城跡案内図(縄張り図)が掲載されているパンフレットが置いてありました。山城をめぐる時は、縄張り図を見て今自分がどこにいるかを確認しながらのほうが絶対に良いので、必ず入手しましょう。

出郭からは大手口の土塁が見え、テンションが上ります。大手口に近づくと、堀も良い感じです。大手口の案内板に「大手口 横矢掛りイメージイラスト図」があり、これが非常に良く、大手口がイメージ出来ました。

大手口

大手口

大手口(左)

大手口(左)

大手口(右)

大手口(右)

次は外郭です。ここまで見て、杉山城は保存状態がとても良いなと感じました。先ほど紹介した縄張り図を見て、自分が今どこにいるかすぐに分かります。外郭の次は馬出郭で、外郭と馬出郭の間は木橋が架けられていたそうです。

外郭と馬出郭の間の空堀

外郭と馬出郭の間の空堀

馬出郭の次は南三の郭です。案内板があり、そこに「南三の郭南虎口に向かい登っていくと左側の土塁が張り出しており、横矢掛りが設置され、防御の工夫を見ることができます」とあり、こちらもイメージできました。

馬出郭から南三の郭

馬出郭から南三の郭

南三の郭から南二の郭は食い違い虎口になっています。杉山城ではここ1箇所だけで見られるそうです。

食い違い虎口

食い違い虎口

南二の郭から真っ直ぐ本郭に向かわず、井戸郭に行きました。案内板に「井戸郭 横矢掛りイメージイラスト図」があり、こちらも非常に分かりやすかったです。井戸郭から南二の郭に戻り、そこから本郭に向かいます。
本郭の景色が良い感じです。本郭に上る道から見る景色も良かったです。

本郭の切岸(その1)

本郭(その1)

本郭の切岸(その2)

本郭(その2)

本郭に到着。本郭からは最初に到着した出郭も見えました。個人的にはここからの景色が一番SNS映えすると感じました。

本郭からの風景

本郭からの風景

次は北二の郭、北三の郭方向に向かい、それらを見た後、本郭に戻り、次は東二の郭、東三の郭の見ました。そして、最後に井戸跡を見ました。井戸は石で蓋をされたようになっており、廃城の際に敵方に使われないように水の手を断つためと考えられているそうです。

最後に

杉山城、訪れて本当に良かったです。「築城の教科書」、「戦国期城郭の最高傑作のひとつ」と呼ばれ、多くの人々が推薦する理由がよく分かり、私も杉山城にすっかり魅了されました。

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